| 巷ではあまたの写真展が毎週開催されています。すべてをみる事は不可能です。そこで、「PHOTOパジェラ」ではなるべくたくさんの写真展をみて回り、失礼を承知のうえ、自己中心的に独断で簡単な感想と展示作品の評価(5つの星の数で評価する)を記すことにしました。あくまでも評者の主観です。そして、写真に関心のある人たちは参考にして、直接会場に行き、自分の眼で評価し好きな写真家を探して頂ければと思います。それこそ写真作家たちの望むことでしょう。そして、写真を愛するすべての人たちに幸あれ。 |
無TARO写真展「The Long And Winding Road」会場:新宿ニコンサロン 開催期間:2010年11/30(火)〜2010年12/6(月) 開催時間:10:30〜18:30(最終日は15:00まで) 評価: ![]() ある一人の女性の半生をその女性の家族や作者が写した写真と、それを見てきた作者が解釈した女性の揺れの様なものをイメージした写真によって構成された作品。薄暗い会場に溢れる程の写真が整然と並ぶ、一枚一枚はとりとめのないものの様にも見えるがそれらが連なる事によって女性の生きてきた証の様なものを感じる。眼を凝らし耳を傾けて歩み寄らなければ人を理解出来ないという様な印象を受けた。(編集部:Y)
百々俊二写真展「大阪」会場:銀座ニコンサロン 開催期間:2010年11/24(水)〜2010年12/7(火) 開催時間:10:30〜18:30(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 大阪という都市を大判カメラによってスナップした様な作品。都市が脈々とうごめき生々しく進化を遂げている最中の昆虫か何かを連想した。作者の中に残っている記憶の大阪と今なお成長し続けている大阪という二つのイメージが重なりあうとこうなるのかもしれない。(編集部:Y)
田中大輔写真展「陽炎」会場:GALLERY SHU HA RI 開催期間:2010年11/23(火)〜2010年12/5(日) 月曜休廊 開催時間:12:00〜20:00(最終日は17:00まで) 評価: ![]() 小学校高学年位の子供達のポートレイト作品。まっすぐと見つめる子供達の目線が圧倒的だ。何者にも染まらない無垢な凶器の様なものを感じた。モノクロである事の必然性を感じた。しかし、数枚視線がこちらに来ていないものや画面が少し複雑になったものがあるのが少し残念だった。(編集部:Y)
原芳市写真展「光あるうちに」会場:サードディストリクトギャラリー 開催期間:2010年11/23(火)〜2010年12/5(日) 開催時間:13:00〜20:00(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 暗く淀んだ様な印象を受ける。その中に薄らとぼんやりとゆらゆら揺れている光を掴む様な不思議な感覚だ。別に特別でもなく何も無いところに作者はその様なものを見ているのかもしれない。そしてなぜだか焦りの様なものを感じた。(編集部:Y)
古谷紀子写真展「ハバナ・スターズ」会場:コニカミノルタプラザギャラリーB 開催期間:2010年11/23(火)〜12/2(木) 開催時間:10:30〜19:00(最終日は15:00まで) 評価: ![]() ハバナの街をスナップ写真によってとらえた作品。作者が記している様にここに写されているのは普通の街に暮らす普通の人々だ。何かが起きそうで何も起きていない。そんな街を「憧れ」に撮らされる事無く作者自身のスタイルがしっかりと出されている事に好感が持てる。(編集部:Y)
張富傑写真展「幻想の迷宮」会場:新宿ニコンサロン 開催期間:2010年11/23(火)〜11/29(月) 開催時間:10:30〜18:30(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 作者が記している様にまるで出口の見つからない迷路に彷徨い込んでしまったかの様な印象を受ける。全ての写真は全く違う場所で撮られているのだろうが、色合いや距離感の様なものが一定で全てが同じ様に見えてきてしまう。そして何度も見ているとある種の閉塞感の様なものを感じる。何故だか少年犯罪という単語が浮かんでしまった。(編集部:Y)
村山謙二写真展「国境の街」会場:コニカミノルタプラザギャラリーA 開催期間:2010年11/23(火)〜2010年12/2(木) 開催時間:10:30〜19:00(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 中国国境に接する街を撮った作品。人間自身がつくった国境線は地図にははっきりと記されているし、そこを越えたりする事は意外と容易ではない。そういった固いイメージを抱いていると拍子抜けしてしまう様な作品だ。ここに写されているのは「国境に接している街」と書かれていなければ気付く事の出来ない程の日常風景だ。一気に国境というものが曖昧になっていく感覚になる。(編集部:Y)
森住卓写真展「山の民の祈り〜パキスタン・カシミール 自身被災地に生きる〜」会場:コニカミノルタプラザギャラリーC 開催期間:2010年11/23(火)〜2010年12/2(木) 開催時間:10:30〜19:00(最終日は15:00まで) 評価: ![]() カシミールで起きたマグニチュード7,6の大地震の被災地で復興に奮闘する人々の生活を写した作品。作者が出会った人達は生きるという事に懸命だ。何とか自分たちが昔から住んでいた場所で生活をもう一度と願う人達には笑顔がある。そして祈りがある。家族を亡くした少年の祈りの表情が印象的だった。(編集部:Y)
渋谷征司写真展「DANCE」会場:AKAAKA 開催期間:2010年11/19(金)〜2010年12/25(土) 月曜・祝日休廊 開催時間:12:00〜20:00 評価: ![]() 作者の15年に渡る写真をコラージュ風に展示された作品。様々なテーマで撮られた作品が会場を埋め尽くす。撮られた場所や時期が異なるそれらは一枚一枚にストーリーを持っているのかもしれないが、混ざりあう事により様々な想像ができる。作者が見てきたであろう15年。私が見る事の無かった15年。そこを結びつけてくれるのがこの展示なのかもしれない。結びつく事などあり得ないものが並びあう事によって、知らない引き出しを開けてしまった様な感覚になる。(編集部:Y)
細川和良写真展「混在する時間-大阪中之島-」会場:銀座ニコンサロン 開催期間:2010年11/10(木)〜2010年11/23(火) 開催時間:10:30〜18:30(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 大阪中之島を一年間撮影した写真を組み合わせ作品。どの部分がどの頃でどの部分が何時くらいかという事を一枚一枚目をこらしながら見ていくという作業を強いられる。かと思えば、離れてみると見事に融合した一枚の画像イメージとして経ち現れる不思議な写真だ。しかし様々に切り貼りされたイメージに明確な意図を見いだすことができなかった。(編集部:Y)
韓超(ハン・チャオ)写真展「私の惨めな小宇宙への狂詩曲」会場:ZEN PHOTO GALLERY 開催期間:2010年11/5(金)〜2010年11/21(日) 月曜・火曜・祝日休廊 開催時間:12:00〜19:00(土曜・日曜は17:00まで) 評価: ![]() 作者の日常生活を赤裸々に写した作品。そこに写されているのは様々な人との交わりから見えてくる作者自身だ。おそらく同性愛者で若い作者の「今ここでしか」という、言葉では言い表せないであろう美しさが溢れている。ほとんどの写真が室内で撮られているという事が彼や彼らの暮らす社会環境を反映しているのかもしれない。(編集部:Y)
山野義昭写真展「まつりきぶん」会場:コニカミノルタプラザギャラリーB 開催期間:2010年11/13(土)〜2010年11/22(月) 開催時間:10:30〜19:00(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 祭りに集まる人達のポートレート作品。祭りと聞くと何故だか心がざわつき出す。そのざわついた気持ちは自然と表情に現れるもので、展示されている作品にはその不思議な高揚感が確実に写っていた。それは笑顔だけではなく花火や催し物に見入る表情や驚きの表情なども含み、何故だか見ていると「まつりきぶん」になってくる。(編集部:Y)
島内治彦写真展「お城が見える風景〜姫路城〜」会場:コニカミノルタプラザギャラリーC 開催期間:2010年11/13(土)〜2010年11/22(月) 開催時間:10:30〜19:00(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 姫路城を様々なところから眺めた作品。長い年月を経て変わり続けてきた街並と、そこにあり続けた姫路城という違和感がユーモラスに表されている。姫路城が何故だかもの凄く愛嬌をもって現れる様には思わず微笑ましくなる。(編集部:Y)
新井潔写真展「NEW IGHN」会場:ビジュアルアーツギャラリー・東京 開催期間:2010年11/8(月)〜2010年11/22(月) 日曜・祝日休館 開催時間:10:00〜18:00(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 北海道の旅の中での出会いを撮った作品。一つのロードムービーを見ている様な感覚になる。特に何が起きているという訳ではない旅の中で、唯一起きていると言える事は写している作者自身の心の変容位だ。しかし作者にとってそれこそが大きな出来事なのかもしれない。(編集部:Y)
大野伸彦写真展「本牧-HONMOKU YOKOHAMA 1981-1983」会場:PLACE M 開催期間:2010年11/15(月)〜2010年11/21(日) 開催時間:12:00〜19:00 評価: ![]() アメリカ軍の家族がさった後の本牧の米軍住宅施設の会った場所を撮った作品。人が誰も写っていないせいか忘れ去られた場所という印象を受ける。半壊した家屋や草木がうっそうとし、家屋に浸食仕掛けている風景はどこか退廃的にも感じるが、その光景に反して清々しいファインプリントによって仕上げられている作品を見ると何故だかもの凄く現実味を帯びてくる。(編集部:Y)
村越としや写真展「雪を見ていた」会場:蒼穹舎 開催期間:2010年11/15(月)〜2010年11/25(木) 開催時間:13:00〜19:00 評価: ![]() 濃密な雪景色を写した写真がギャラリーを埋め尽くしている。一枚一枚はとても小さく近寄らなければしっかりとは見えない。まっすぐと先を見ている様な写真を見ていると、雪を見ているというよりは雪の先に何かを見ているという印象を受ける。民家と犬の写真が他の写真とは明らかに異質であるが、それがかえって全体の印象を柔らかくしている様に感じた。(編集部:Y)
甲斐樹一郎写真展「uncertain」会場:PLACE M 開催期間:2010年11/15(月)〜2010年11/21(日) 開催時間:12:00〜19:00 評価: ![]() とある旅先、作者の昔住んでいた場所とどこか似ている印象を受けたそうだ。南なのか北なのか、それすらも曖昧になっていく印象を受ける。風力発電の風車と思われる一連の写真の霞がかった写真によってその印象は強くなり、並べられている写真群が別の場所で撮られたものなのではないのか。それとも一緒なのかと不思議なトリップ感を感じた。(編集部:Y)
瀬戸正人写真展「Varseaバルセア-消えゆく大地 多摩川2010」会場:M2 gallery 開催期間:2010年11/14(日)〜2010年11/23(火) 開催時間:12:00〜19:00 評価: ![]() 多摩川のホームレスの造った家屋を撮った作品。バルセアとは河と陸地の狭間で絶えず浸食されて消えてゆく土地の事らしい。そういった見方をすればこの家屋やそこに住むホームレス達もある意味では浮浪者という言葉通り、バルセアという存在なのかもしれない。ブルーシートで覆われた家屋が草木や周りの光景に明らかに溶け込んでいない風景は都心で見るそれらとは異なり異質な物に見えてくる。堂々としていればしている程に異様さを感じる。(編集部:Y)
星玄人写真展「Street photo exhibition 6」会場:サードディストリクトギャラリー 開催期間:2010年11/12(金)〜2010年11/21(日) 開催時間:13:00〜20:00 評価: ![]() 様々な繁華街や裏路地などで撮られたストリートスナップ。作者の独特の人間味溢れる写真はどこへ行っても変わらないのだと実感させられる。撮られている年代も様々で、その中でも揺るがない何かを持っているという事に驚かされる。その何かをもっと見たいと思わせる力のこもった作品。(編集部:Y)
長島朋子写真展「砂色の花」会場:PLACE M 開催期間:2010年11/8(月)〜2010年11/14(日) 開催時間:12:00〜19:00 評価: ![]() 一枚一枚に作者の凝視の様な視線を感じる。どこか退廃的なイメージでありながらも、一枚一枚に時間を慈しむ心の様なものを感じた。しっかりとした対話の中にある写真という印象を受ける。(編集部:Y)
峰崎野人写真展「季節の袖」会場:PLACE M 開催期間:2010年11/8(月)〜2010年11/14(日) 開催時間:12:00〜19:00 評価: ![]() 不意に眼に止まる日差しに眼を向けているという印象を受ける。作者の見ている光景の柔らかさにひかれる。もう少し大きなプリントで枚数を見てみたいと思った。(編集部:Y)
小野啓写真展「群青」会場:新宿ニコンサロン 開催期間:2010年11/9(火)〜2010年11/22(月) 開催時間:10:30〜18:30 評価: ![]() 日本中の高校生のポートレート作品。彼らから向けられる視線に対して見ている私が誠実でなければいけないという脅迫めいたものを感じる。これから出て行くであろう社会に、彼らの青さがどう染まっていくのかという期待と不安を抱てしまう。(編集部:Y)
小林ユカ写真展「針が飛ぶ」会場:GALLERY SHU HA RI 開催期間:2010年11/9(火)〜2010年11/21(日) 開催時間:12:00〜20:00 評価: ![]() 日々の断片集的な作品。写されている写真の内容はどこかほっとする様な内容にも関わらず、そのほとんどがコントラストが高めで粒状性の荒いモノクロプリントにまとめられている。そのギャップを肯定的に受け入れる事が出来ず、あやふやな印象を受けた。(編集部:Y)
田村玲子写真展「場所にて」会場:アップフィールドギャラリー 開催期間:2010年11/5(金)〜2010年11/21(日) 開催時間:12:00〜19:00(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 一見して無機質で近代的な建築物が眼に入ってくる。しかし、その建築物からわずかに眼をそらすと草や木や地面が密やかな存在感を維持している事に気付く。この写真群は建築物ではなくある一つの空間をとても当たり前の視線で捉えられている。それは観者がその場に行ったとしてもこう見たであろうという錯覚すら起こさせる。(編集部:Y)
福添智子写真展「青い鳥」会場:新宿ニコンサロン 開催期間:2010年11/2(火)〜2010年11/8(月) 開催時間:10:30〜18:30(最終日は15:00まで) 評価: ![]() 柔らかい光に包まれた時に写真を撮っているという印象を覚える。それはその場所その時間でなければ確実に出会えなかってであろう。一瞬の積み重ねによって作者の中に新しい何かが見えてきたのかもしれない。(編集部:Y)
大畠まゆみ写真展「Distance」会場:Roonee 開催期間:2010年11/2(火)〜2010年11/7(日) 開催時間:12:00〜19:00(最終日は16:00まで) 評価: ![]() 茨城にある作者の郷里を撮った作品。稲穂が実る頃に撮られたと思われる作品は秋を感じさせ、年齢を重ねた男性は人生においての秋を感じさせた。二つの終わりへ向かっていく時の間には夜の写真が時折現れる、展示空間に掲示された文章と重なりどこか寂しさを感じた。(編集部:Y)
HYUNMIN RYU写真展「Giggle」会場:新宿ニコンサロン 開催期間:2010年11/2(火)〜2010年11/8(月) 開催時間:10:30〜18:30(最終日は15:00まで) 評価: ![]() もの凄く良く出来た広告の様に見える意味のない悪ふざけの様な作品。作者が若い頃にしていたという悪ふざけを大人になってから真剣にやっているというところに好感が持てる。イメージとしてはもの凄く完成されてながらも、よくよく見ると実に無意味であるという事の中には社会に対する反発心の様なものすら感じる。(編集部:Y) |

無TARO写真展「The Long And Winding Road」
百々俊二写真展「大阪」
田中大輔写真展「陽炎」
原芳市写真展「光あるうちに」
古谷紀子写真展「ハバナ・スターズ」
張富傑写真展「幻想の迷宮」
村山謙二写真展「国境の街」
森住卓写真展「山の民の祈り〜パキスタン・カシミール 自身被災地に生きる〜」
渋谷征司写真展「DANCE」
細川和良写真展「混在する時間-大阪中之島-」
韓超(ハン・チャオ)写真展「私の惨めな小宇宙への狂詩曲」
山野義昭写真展「まつりきぶん」
島内治彦写真展「お城が見える風景〜姫路城〜」
新井潔写真展「NEW IGHN」
大野伸彦写真展「本牧-HONMOKU YOKOHAMA 1981-1983」
村越としや写真展「雪を見ていた」
甲斐樹一郎写真展「uncertain」
瀬戸正人写真展「Varseaバルセア-消えゆく大地 多摩川2010」
星玄人写真展「Street photo exhibition 6」
長島朋子写真展「砂色の花」
峰崎野人写真展「季節の袖」
小野啓写真展「群青」
小林ユカ写真展「針が飛ぶ」
田村玲子写真展「場所にて」
福添智子写真展「青い鳥」
大畠まゆみ写真展「Distance」
HYUNMIN RYU写真展「Giggle」